母と愚弟と平凡ソング

中学生のころ、わが家では月に1回愚弟がどこからか最新の平凡ソングを借りてきて、フォークギターをかきならしながら母親とともに知っている歌をかたっぱしから歌いまくるという光景があった。

平凡ソングというのは芸能月刊誌「平凡」の付録に毎号ついていた歌本です(何をいまさらそんな説明いらんわいというひとのほうが多いか)。

ギターも弾けず、歌もまともに歌えない私はハタからチャチャをいれるポジションだったのだが(このへんのスタンスは対象が何であれいまでもそんなにかわっていない)、まあ私と愚弟、そしてそのころはまだ元気だった祖母の夕食が終って、父親が仕事から帰ってくるまでの、昭和の家族のひとコマってわけです。

ご存知だと思うけど、あの平凡ソングというのはまず最初に当時の歌謡トップスターの最新ヒット曲が並び、そしてだんだんと古い歌、マイナーな歌手の歌へとページが進む。

そして洋楽ヒットは最後のほうにかためて載っけてあるのだ。せいぜい10曲もあればいいところだったか。

それでも母親が「なんかこの歌すごいね~、郷ひろみの曲とかとぜんぜんちゃうね~」と妙に感心した洋楽曲があって、それがイーグルスの「呪われた夜」だったのだ。

たしかにこの曲は妙な妖気みたいなものがあって、普通のポップスとはどこか違うなと私も当時思っていた。

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